介護の仕事を辞めようと思っている多くの人は、今しか見えていない状態です。
と、いうより今しか見えないぐらい様々な悩みを抱えているのだと思います。
今回は"私が介護の仕事を辞めたい"と思った時に行っている事を記事にします。
自己紹介も兼ねて私が介護の仕事を志した理由も記載させて頂きます。お付き合いください。
中学1年生の時の苦い思い出
私が中学1年生の時(今から14年前です)クラスの間で流行っていた言葉があります。
それは偽善者です。
私は自分で言うのも恥ずかしいですが結構真面目だったので、その言葉がすごく嫌いでした。
ある時、クラスメートの子が休憩時間中に突然嘔吐した事件がありました。
その時、テーブル横に掛けてる雑巾を持ってその子の所に行くと、後ろの方から『よくあんな偽善が出来るよね』と声が聞こえてきました。
嘔吐した子よりある意味で私の方が気持ち悪くなってしまいました。
体験学習の経験が私を救った
「総合」の授業の一環で、老人ホームに体験学習に行かせて頂きました。
当時はその施設が特養なのか老健なのかも知りませんでした。
その体験学習中、私はお年寄りと将棋を指していたのですが、苦い思いをしたあの事件が起きました。
お年寄りが突然嘔吐したのです。
私は驚いて何も出来なかったのですが、介護士さん達はすぐに駆けつけて『大丈夫ですか』と声をかけながら背中をさすっていました。
お年寄りが嘔吐したのに何も出来なかった私は、偽善という言葉は使わずともあの時のクラスメートと変わりません。
“何もしない”には、自分の意志が入ってます。
ただ、”何も出来ない”には自分の意志に反しているので余計に悲しくなりました。
かっこいいと感じた指導者
体験学習の最終日に、「嘔吐したお年寄りがいたのに何も出来ませんでした。介護士さんはびっくりもせず、てきぱきと動いていて凄いと思いました。」←中学生っぽい表現ですね
この感想に対し私の指導者さんは、「介護の仕事は相手を思ったり考えたりする事が、当たり前な仕事なんだよ。だからお年寄りに何があっても助けられるように勉強しているんだよ。」と私に話してくれました。
私の原点は介護士ではなく、介護を伝える人
私に介護を語ってくれた指導者さんになるには、まずは介護の勉強をしなくてはいけない。
という感覚になり、専門学校に行こうと中学1年生の時に決めました。
私には、こういう人は介護士に向いている!!という勝手な介護士像があります。
ただ、残念なことに、私はその中には入っていません。
なので、介護士になろうと決意したその時から、
現場で介護士として働くのは長くて10年と決めていました。
その10年の中で、介護を伝える仕事が出来るようになろうと、ざっくりとした目標を持って専門学校に入学したのを覚えています。
実際、専門学校を卒業して純粋に介護士として勤務したのは、3年半ぐらいです。
そう考えると、今は介護主任という役職を頂き新人教育や実習生・ボランティアの対応といった仕事をさせてもらえているので、自分の望んだ道を歩いていると思っています。
私が今の仕事を辞めたいと思った時は、原点に返り(思い出し)色々理不尽な事はあるけど、「あれと、これを」させてもらっているからしょうがないな~と思い自分でイライラを消化しています。
ただ、「あれと、これ」が無くなったら、転職を考えるタイミングだと思います。
前の職場を辞めようと決意したのも、原点に帰りこれでは駄目だ!!と思ったからです。
最後に
介護の現場に入った理由は人それぞれです。その理由を忘れない限り、精神面では働き続けられると思います。もちろん身体的・家庭的な事情で"辞める"という決断を下さなくてはならない場合もあります。
介護業界は介護士以外にも働けるポジション(ケママネや相談員など)はあります。これまでの介護士としての経験が次の目標へと導いてくれます。
"介護業界自体が嫌だ"という理由以外で、辞めようと思っている方は施設内での移動、または転職などで周りの環境を変えてみて下さい。ただ、変化には少なからずリスクはあると思います。
なので、繰り返しになりますが辞めようと思った時は原点に帰って、自分自身と向き合ってください。