介護現場のあるある

【解説】介護施設における委員会の設置の重要性

多くの介護施設では、運営上重要なことを主導する委員会を設置しています。

では、どのような委員会をどのような目的で設置しているのか、その重要性と一例をご紹介したいと思います。

介護施設の委員会:拘束廃止委員会

拘束廃止委員会は、利用者の尊厳保持のため、身体拘束をしていないことを定期的に確認したり、身体拘束に関することを職員に周知したりなどの役割を負っています。

身体拘束を行なっている・身体拘束を行なっていない事を定期的に確認していない・身体拘束に関する事を定期的に職員に周知していない、などに該当すると、身体拘束廃止未実施減算を課されることになっています。

どれくらいのペナルティかというと、利用者全員分に10パーセントの減算が適用される、というインパクトの大きいものです。

たかが10パーセントと侮らないで下さいね。仮に全員の要介護度が4で利用者が100人居る多床室の特養で想定すると、月額230万円位の損失です。

介護施設の委員会:入浴委員会

入浴委員会は、利用者の保清や入浴に関することを議論しています。

介護施設では、週に2回以上の入浴若しくは清拭をする事と、これも運営基準に定められており基準違反は指定云々にも関わってきます。

また、人はウイルスなどの外敵が体につかないようにする機能(バリアをイメージしていただくと良いと思います)が備わっていますが、清潔が保たれていないと機能しないことになっています。

介護施設の委員会:感染症委員会

感染症委員会は、疥癬・感冒やインフルエンザ・ノロウイルスなど感染症対策や処理のシミュレーションなどを議論・先導する委員会です。

多数の人が集団生活を送っている特性上、介護施設では感染症が流行りやすい一面がありますね。私の勤務する施設では、利用者は時々60歳代の方もいらっしゃいますが、大半は80代以上の方が占めており、免疫と体力が低下している高齢者に感染症は、命取りになりかねません。

特に冬場ノロウイルスの処理は間違うとかえって拡めてしまう事になり、感染力が高いのもあって、あっという間にフロア中感染者だらけになります。ちなみに、全利用者の内同時に発症している人の割合が10パーセントを超えた場合は、10パーセント未満になるまで毎日保健所に連絡し、状況を報告しなければなりません。

介護施設の委員会:行事委員会

行事委員会は、花見や敬老会などの行事のプログラムや参加者などを議論しています。

基準や加減算には係りませんが、利用者のQOLには深く関わっていますね。

まとめ

今回は、某特養の委員会の一例をご紹介しました。どれも利用者の生活や施設運営に多大な影響がある内容ですから、介護施設において委員会はとても重要なものであると言えると思います。

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