介護施設への就職・転職 介護現場の実際

夜勤業務の実際

介護施設は高齢者(入居者様)が生活をしている場である事から、

私達介護士には夜勤業務というものがあります。

人によっては"夜勤はしんどいから嫌だ"

"夜勤は夜勤手当がつくから嬉しい"

意見が分かれる所です。

今回は、私の経験を元に夜勤業務の実際をお伝えします。

就職活動の際の参考にして頂ければと思います。

夜勤の形態は2種類ある

16時間夜勤  →  2日勤務

9時間夜勤   →  1日勤務

上記が夜勤の形態になります。

16時間夜勤の場合は、勤務終了日を「明け」という表現をします。

明けの日は、家に帰ってから遊びに行っても出勤日と認定されています。

(ほとんどの人は寝て過ごすと思いますが・・・)

そして、明けの次の日は休みとなりますので連休の感覚となります。

もし、遅番・夜勤・明け・休み・休み

だと 明けでタイムカードを押す時、思わずニヤリとしてしまいます。

私は、前の職場が16時間夜勤だったので、仕事帰りはパチンコをしていました。

9時間夜勤の場合は、拘束時間が短い分、明けの日が休み扱いとなってしまいます。

その為、遅番・夜勤・休み・休み・早番 となります。

上記のように、同じ5日間でも実際に家から出勤する回数は9時間夜勤の方が1日多くなります。

私の9時間夜勤の日の過ごし方

現在の職場は、9時間夜勤の施設なので簡単ではありますが、私の夜勤日の生活をご紹介します。

子供がいるので夜勤の日といっても、起きる時間は7時ぐらいです。

子供達を幼稚園、保育園に送り、そこから自分の時間です。

自分の時間と言っても、一応大学生なのでレポートを作ったりします。

今はブログ制作の時間にもなっています。

幼稚園、保育園が休みであれば子供達を連れて外出します。外食してから買い物して帰るので

15時ぐらいに家に戻ります。

そこからは、お風呂に入り夕食を食べたりとゆったり過ごします。

22時から夜勤開始なので、20時50分ぐらいに家を出ます。

夜勤の日に大学のスクーリングに行ったり、子供達と遊ぶ事が出来る9時間夜勤が今の私の生活には合っていると思っています。

9時間夜勤・16時間夜勤の業務内容

私が現在勤める施設はユニット型の特別養護老人ホームです。

20人の入居者様介護士1人で見る形となります。

ここで、私が実際に行っている9時間夜勤の業務内容をご紹介します。

22:00 遅番者からの申し送り/NC対応(トイレ誘導)/巡回/記録
23:00 服薬介助/2名のおむつ交換/5名の体位交換/巡回/記録
0:00 NC対応(トイレ誘導)/2名のおむつ交換/巡回/記録
1:00 NC対応(トイレ誘導)/4名の体位交換/巡回/記録
2:00 NC対応(トイレ誘導)/2名のおむつ交換/巡回/記録
3:00 NC対応(トイレ誘導)/2名のおむつ交換/5名の体位交換/巡回/記録
4:00 NC対応(トイレ誘導)/巡回/記録
5:00 NC対応(トイレ誘導)/3名のおむつ交換/5名の体位交換/巡回/記録
6:00 NC対応(トイレ誘導)/巡回/記録
7:00 早番者に申し送り後、退社

NC対応

ナースコールを押した方への対応です。トイレの訴えが殆どです。

服薬介助

お薬の種類によって飲む時間が異なります。私のユニットには1名の方がこの時間に服用します。

体位交換

現場では「体交」と言います。

自分で体交(寝返り)が出来ない方に対して行います。

例:23:00 左側位(左向き)1:00 右側位(右向き) 3:00 仰臥位(上向き)という形です。

2時間おきに行う施設が多いです。

巡回

1時間に1回、居室の中に入り生存確認を行います。

記録

自分が行った事を記録します。

トイレ誘導

本人の訴えにより行うのでこの時間に何人という訳ではありません。

※休憩1時間は入れる時に好きなタイミングで入ります。

ただ、ユニットを空っぽには出来ないので、外へ出ての休憩は取れません。

巡回や記録は施設として共通の業務ですが、排泄介助や起床介助は入居者様の状態によって、内容が変わります。

私のユニットでは、7時前に起きたいという訴えのある入居者様がいらっしゃらないので、起床介助の項目がありません。

続いて、16時間夜勤の業務内容をご紹介します。

3年前に私が勤めていた従来型の介護老人保健施設です。

30人の入居者様介護士1人で見ていました。

3年前なので、体交者やおむつ交換の人数を忘れてしまいました。おそらく15名程です。

17:30 遅番からの申し送り/遅番者と共に夕食介助・口腔ケア/就寝介助
19:00 服薬介助/おむつ交換/巡回/記録
20:00 夕食/巡回/記録/NC対応(トイレ誘導)
21:00 ?名の体位交換/巡回/記録
22:00 巡回/記録
23:00 ?名のおむつ交換/?名の体位交換/巡回/記録
0:00 巡回/記録
1:00 ?名の体位交換/巡回/記録
2:00 巡回/記録
3:00 ?名の体位交換/巡回/記録
4:00 おむつ交換及び起床介助/整容介助
7:00 早番者に申し送り/朝食介助/服薬介助
8:00 早番者と共に口腔ケア/おむつ交換/記録
9:00 全体朝礼に参加
9:30 退社

口腔ケア

私達で言う所の歯磨きです。

就寝介助

洋服からパジャマに着替えるお手伝いをしてベッドに臥床(寝る)します。

夕食

だいたい職員はこの時間に夕食を食べます。

入居者様が食べていた夕食と同じメニューです。(ちなみに無料です)

朝ごはんも注文すれば無料で食べられます。

起床介助

おむつ交換後にパジャマから洋服へ着替えて食堂に誘導します。

誘導前には整容介助(顔を拭く、うがいをする、髪を整えるなどです)も行います。

人数が多いので、4時からのスタートです。なので、最初に起床介助を行った入居者様は7時になると眠たくてウトウトしています。この現状が私は嫌でした。

全体朝礼

9時になると相談員やケアマネ、介護主任が出勤するので、夜勤者と出れる職員が一つの場所へ集まります。その後、夜勤者より全体に向けての申し送りを行います。

個人的には時間の無駄だと思っていました。自分のフロア以外の申し送りは聞いてませんからね(笑い)

※休憩2時間は入れる時に好きなタイミングで入ります。

夜勤業務では上記の内容以外に、細々した仕事(洗濯物をたたむ、汚物室の清掃等)があります。

業務内容に関しては、勤務しないと把握できないと思いますので、

施設を選ぶ際は拘束時間(9時間か16時間)で判断した方がいいかもしれませんね。

10時間夜勤の実際

業務内容を見てお気づきだと思いますが、9時間夜勤では業務中に職員同士が被る時間がないので、サービス残業で申し送りを行わなければなりません。

私も夜勤の日は、21:40分には申し送りを聞くようにしています。

22時(夜勤業務開始時間)に申し送りを聞くと、遅番者が定時で帰れなくなるからです。

これが、16時間夜勤だと、遅番の業務中に夜勤者が勤務開始となるので、問題なく申し送りが出来ます。

9時間夜勤の明けにも同じ現象が生まれます。

早番の勤務開始時間が、7時からなので申し送りは早番者が早めに出勤して申し送りを聞きます。

遅番者に定時に帰ってほしいという気持ちと同じです。

16時間夜勤の明けだと、早番者と一緒に業務を行うので、その時に申し送りが出来ます。

その為、16時間夜勤の明けは、全体朝礼が終わり次第定時で帰れるという事になります。

10時間夜勤に変えるメリットは?

メリットとしては、職員同士が被る時間が増えるという点です。ただ、全ての問題解決はなりません。

例:夜勤時間の勤務時間を21:00~7:00 に変更した場合

遅番者が夜勤者へ行う申し送りが業務中に可能となります。

ただ、早番者には変化がありません。

つまり、"早番・夜勤者"のどちらかにしかメリットがありません。

この問題を解消するには

早番の出勤時間を早くする。又は、遅番の出勤時間を遅くするしかありません。

現実問題として、電車の関係や家庭環境等の問題もある為、難しいのが現状です。

10時間夜勤だと次の日に影響する!?

10時間夜勤だと、朝は起床介助や朝食介助があるので大変だという事もあり、

22:00~8:00に設定している施設が多いようです。

10時間夜勤も、9時間夜勤と同様で1日勤務扱いなので、単純に拘束時間が1時間多いだけとなります。休憩時間は2時間となります。

そう考えると朝8時に終わるのは、次の日に影響が出るかもしれませんね。

私の友人も、朝8時に終わって、次の日が早番だときついと言っていました。

9時間夜勤でサービス残業を行わない為には?

早番:7:00~16:00          6:45~15:45

遅番:13:00~22:00       13:15~22:15 

夜勤:22:00~7:00         22:00~7:00

上記のように変更すれば、被りの時間を作る事は可能です。

ただ、10時間夜勤に変えるメリットは にも記載ましたが、電車や家庭の事情といった問題があるので、変えられない施設が殆どだと思います。10時間夜勤は、早番・遅番のどちらかと被る時間を作る為に、出来たということ。また朝は起床介助や朝食介助があるので、人手を増やしたいといった理由から導入されているということをご理解下さい。

難しいと思いますが色々と施設側も試していくしかないですね。

夜勤専従の実際

"お金になるから" "日中の時間を確保して出来るから" 等の理由で夜勤専従の求人を探している方いらっしゃると思います。実際に夜勤専従を経験した友人の意見を元にご紹介します。

夜勤専従のメリット

最初に書いた通り、給料面だったり、日中の時間を確保出来るので、その時間を利用し資格取得の為の学校に通う等のメリットがあると思います。

しかし、1番のメリットは、人間関係を気にしなくてもいい所だそうです。

特に9時間夜勤の施設がお勧めだそうです。

理由としては、16時間夜勤の場合だと介護士2人で強力して行う施設が多いので、

組むパートナーによって気を使ったり、仕事が、早い遅いという揉め事が起きるからだそうです。

以上の理由から、9時間夜勤は殆どの施設が1人で行うので、お勧めです。

夜勤専従のデメリット

メリットであげた、気を使う等の煩わしい人間関係は無くなりますが、職員との交流がないので疎外感があるみたいです。

例:ユニット、フロア内で飲み会があっても呼ばれない等。ちょっと寂しいですよね。

1番目のデメリットは、介護士としての成長が止まるという点です。

5大介護以外の仕事を任される、又は出世といったチャンスが回って来ないので成長出来るきっかけがないという事です。

日中の活動に重きを置いている方にとっては、デメリットにはならないと思いますが。

何か意味があっての夜勤専従はいいかもしれませんが、目的が無い中での外部との遮断はキツイと思います。

夜勤専従は、現在パートや正社員で登録してくれる施設も増えています。

本来は禁止されていると思いますが、介護施設で正社員として勤務している職員が休みを使って他施設の夜勤パートを行っている方もいます。介護業界で多いダブルワークというやつです。

最後に

施設選びの際、夜勤手当の金額を重視する方いらっしゃると思います。

もちろん、夜勤=入居者様の夜間の様子を知る事が出来るので、必要な経験だと思います。

ただ、介護士として一生働こうと考えているのであれば、自身の体を大事にした方がいいです。

夜勤の回数は、平均4~5回の施設が多いです。私も現在3~4回夜勤入ってます。

夜勤が出来ない日勤専従社員やパート職員が多い施設では月7~8回の場合もあります。夜勤8回は稼げて魅力だと思いますが、身体が壊れてしまう時間が早まる可能性があります。

私は介護の仕事はもちろん好きですが、"夜勤をしないと食っていけない"というイメージは嫌いです。

給与アップの方法は夜勤の回数だけだと思わないで下さい。視野が狭くなってしまいます。

介護士として働いていれば給与(待遇)アップのチャンス・きっかけは回ってきます。

私の場合は、転職した事がきっかけとなり仕事内容や給与面が自分の望む所に近づけました。

転職して良かったこと をご参照下さい。

目先よりも未来を考えて、施設を選びましょう

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